クラウドファンディングを使わない新しいファンディング!
こちらの記事は、緊急事態宣言が発令され多くのお店が対策をしいられ、通常の営業などままらない状況の中で、いかに早く現金を作るかという新しい試みを飲食店で行なった結果、3日で45万円を達成した成功事例を紹介します。
多くの飲食店がクラウドファンディングに手を出しては、なかなかうまくいかないあ現状の中、いかにして手元資金の調達に成功したかをお話します。
変わらない固定費、一刻も早いキャッシュ化が必要
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響によりの戦後以来の世界的経済ショックだと言われている。
特に、店舗型の商売は大打撃を受けたのではないかと感じています。特に飲食店業界では、2月、8月(ニッパチ)はもともと閑散期である。これから盛り上げて行くはずだった3、4、5月の売上が丸々抜けてしまったのは、追い打ちをかけるような形で、最悪な状況をもたらしたと言える。
緊急事態宣言が発令されようとも、基本的に固定費の出費は減るわけでもなく、この状況に耐えきれず、多くの店舗が閉めざるおえない状況に追い込まれている。
緊急事態宣言に伴い、国もいろいろな助成金や協力金、給付金など用意してくれたものの、キャッシュを手にするまでには、だいぶ時間がかかってしまう。体力のあるお店であれば持ちこたえることはできるかもしれないが、ほどんどのお店はそうではない。
そんな中、クラウドファンディングでお金を集めるようなフットワークの軽いお店も出てきているが、全てのお店がそう簡単に集められるわけではありません。
しかも、集まった支援金からは手数料が引かれる。そして入金は募集期間終了後の翌月末。現金化されるまでにも時間を要する。
SNSとLINE Pay、PayPayを活用した新しいファンディング
当社もお手伝いさせていただいている飲食店のお客様から、クラウドファンディングをやりたいとの依頼を受けました。
今までお話してきたように、手数料の問題や入金までの時間が長いこともあり、クラウドファンディングという形ではなく、即金性が高くその場しのぎではない新しい方法で、お店のお客さんから援助を求められないかと考えました。
この方法は、SNSとLINE Pay、PayPayを活用した方法です。普段からお店のお客さんとコミュニケーションが取れているお店ほど効果があると感じています。
非常にシンプルで簡単な仕組み
クラウドファンディングでは支援していただいた方に支援金額に応じたお返しをする「返礼品」が用意されている。
このシステムの返礼品は一律1,500円の前売りチケットです。対象の商品は毎年、夏・秋に販売しているシーズナブルな商品の前売りチケットです。
お一人様、最大4枚まで購入することができ、譲渡可能なチケットです。偽造防止用に番号管理もしています。
ファンディングにおける施策で新たに作成したもの
施策をおこなうために新たに作成したのは以下のものだけです。
- 店舗ホームページに特設ページ
- 店長手書きのメッセージ
- 前売りチケット
- 受け取り用PayPayアカウント
- 受け取り用LINE Payアカウント
ファンディングにおける施策で使用するもの
- 店舗ホームページ
- LINE公式(旧:LINE@)
クラウドファンディングを使わないファンディングシステムの流れ
まず、LINE公式、Instagram、Twitterで「支援をお願いします」の投稿をします。SNSの投稿から、店舗ホームページの特設ページへ誘導し、チケット購入していただくという非常にシンプルな流れです。
お店側の意向として、ここで儲けを出そうとするのではなく、本当に必要な当面の家賃を払う分をここで補いたいということから目標は300枚完売を目標に開始しました。
このファンディングのメリットは以下の2つです。
- 即キャッシュを作れること
- 支援をしていただいた方が確実にお店に来る仕組みであること
非常に重要なのは、2つめに上げた点です。
どうしてもクラウドファンディングは支援者が必ずしもお店に来店するかどうかは不透明な部分があります。しかし、このシステムは返礼品がシーズナブルメニューのチケットです。そのため、支援していただいたお客さんは必ずその期間内にお店に訪れるのです。
一時しのぎの儲けを出すのではなくお客さんが来なければ意味がない
お店に訪れてくれれば、アップセル(追加注文)での売り上げも見込めますし、SNSでの投稿をしてもらえれば、口コミの宣伝効果も期待できます。
ここで重要なのは、一時しのぎのクラウドファンディングで儲けを出すのではなく、あくまでもお店が持続することを考えなければいけません。
緊急事態宣言が解除されたからといって、すぐにお客さんがお店に戻ってくるとは考えられません。それならば、一時しのぎの儲けを求めるのではなく、一刻もはやくお客さんに戻ってきてもらう対策をしなければならないのです。
この新しいファンディングシステムは、そういったお客さんに戻ってきてもらう施策だと考えています。
3日間で目標枚数を達成!
結果としては、3日程度で、300枚完売し目標は達成しました。
大変好評だったため、枚数を増やすこともできましたが、あくまでも前売りチケットを販売しているため、今後の売り上げを考えると、ここまでにしておくべきだと考え枚数を増やさずに終了としました。
しかし、これは効果があることが実証されたので、別のシーズナブルメニューにも使って行きたいとおもます。
すでに募集は終わっていますが、実際のページのリンクを貼っておきますのでご確認ください。
お店側には、手書きでお客様への率直なメッセージを書いていただきました。
チケットの販売は、LINE PayとPayPayでお支払いいただきました。そうすれば、お客さんも受け取るお店側も手数料がかかりません。
一部、手数料がかかってでも銀行振込でご購入いただいたお客さんもいらっしゃいました。
利用割合としては、PayPayでの支払いが一番多く、LINE Pay と銀行振込は、だいたい同じくらいの割合でした。
利用された決済の利用率
- PayPay 57%
- LINE Pay 23%
- 銀行振込 20%
SNS別の効果と特徴
告知はLINE公式、Instagram、Twitterの順で行いました。
今回の件で、それぞれの特徴の違いを明確に感じました。
LINE公式は瞬間的効果
LINE公式は、瞬間的な効果は一番高く、送信後2時間くらいまでがピークです。そのため、テールは非常に短くそれ以降のアクセスには繋がりません。
Instagramは細く長い効果
Instagramは、細く長くというのが印象的でした。LINE公式のような、瞬間的な山場はありませんが、ピークは3日間程度続きました。結果的にアクセス数は、LINE公式を上回りました。
Twitterはロングテールで山あり谷あり
Twitterは、全体を通して効果がありました。回りくどいメッセージよりも直接的な、メッセージが効果的です。
イメージとしては山あり谷ありが3日程度続きさらにテールが長く、その後もちょこちょこと流入につながるというのが特徴です。
アクセス数、販売数共にTwitterの効果は大きかったと言えます。
いかにお客さんに戻ってきてもらうかを考える
今回のコロナショックで感じたのは、やはり普段からお客さんとコミュニケーションの取れているお店は生き残り、そうでないお店は大変厳しい状況に追い込まれているということです。
キャッシュレス決済が一般化してきたことが理由なのか、クラウドファンディングなどの支援が一般化してきたことが理由なのかわかりませんが、お店側が思っている以上にお客さんは協力的だということに気がつきました。
飲食店にホームページが必要なのか?とかSNSなんかやって効果があるのか?という声をよく聞きます。
しかし、真面目に地道にお客さんとのコミュニケーションを取ってきたからこそ、たった3日という短期間で結果が出たんだと思います。
やはりお客さんあってのお店であると実感しています。
逆に心配なのは、クラウドファンディングの儲けが出てしまったがために一喜一憂しているお店です。
今だからこそ考えるべきは、いかにお客さんに戻ってきてもらうかです。
儲けは必ずその後に戻ってくるのです。